中国人民元相場の柔軟性を高める
19日に「中国人民元相場の柔軟性を高める」との声明が中国当局から発表され、週明けの21日は前週からギャップを作って円買いが進行する展開から取引が始まった。
ドル円は90.01付近まで下落したものの、中国人民元の対ドル基準値が18日と変わらなかったことで91円手前まで、ユーロ円も112.10付近から 113.15付近まで反発した。
中国人民銀行のドル買い/人民元売り介入でマーケットはストップロスの円売りを巻き込み91.48付近まで上昇したが、人民元基準値はその後対ドルで切り上げていく展開となり、ドル円相場は日毎に上値が重くなる流れへと転換した。
また米国5月の中古住宅販売件数や新築住宅販売件数が予想外に減少し、欧州ではスペインの銀行の損失拡大懸念が強まったことから米ドルやユーロが相対的に弱含んでいく展開となった。
FOMC議事録では超低金利政策を継続する姿勢が示され、米国債利回りが低下。
ギリシャの5年物クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)スプレッドが過去最大に広がり、リスク回避の円買いが進行してドル円相場は89円台に下落した。
今後の展望は?
米国の出口戦略への期待が後退し、米ドルの上値が重く感じられる中、一方で中国人民元の切り上げは緩やかなペースで行なわれることが確認された。
米国議会では切り上げ幅に関して不満の声も挙がっており、今後の米中関係者によるコメントに振らされる場面もでてくるだろう。
G20においては緩やかな人民元切り上げを歓迎する声明が盛り込まれる可能性もあるが、今後の切り上げ幅やスピード感については更なる説明を求める可能性もあり、どのような表現に落ち着くか注目される。
今週は、1日の日銀短観や週末の米国雇用統計という大きなイベントが予定されているが、景気の2番底を警戒する動きが強まるか、それとも景気回復の中の踊り場的な捉え方となるか、それぞれの指標結果によっては相場の展開も180度変わってくるため、神経質な展開が続くことになる。
ドル円相場に関しては、90円割れの局面で大きなドル買いオーダーが見られなかったことが心配されるが、6月末でレパトリのフローが持ち込まれた可能性もあり、決算対応が一巡した場合には、新規外債投資と相まって再度「円売り」が持ち込まれるとの期待もあり、明確な方向感が出てくるには今週のイベントを見極める必要があるだろう。